面白いと思った漫画を、誰かに勧めたい!と思ったことはありませんか?
友達に、面白いから読んでみて!と漫画を借りたことがある方もいるでしょう。
そんな友人同士の漫画の貸し借りは、特に学生さんなどの間でよく見かける光景だと思います。
お金のない人や初めての作品に手を出す方にとってはありがたいこの行為は、法律的に違法なのでしょうか?
また漫画の転売や、自炊と呼ばれるスキャン行為は法律でどこまで許されるのでしょう。
因みに自炊とは、自分の持つ書籍を裁断しスキャンして、電子書籍化する行為のことです。
文面だけでも何だか法律に触れてしまいそうな雰囲気ですが、実際に抵触してしまいそうな法律についても見てみましょう!
漫画の貸し借り、転売についてもどこまで許されるのか調べてみます!
漫画の貸し借りは違法なの?
お隣さんと最近漫画の貸し借りしてるのだが
まさか令和の時代にアウターゾーンが読めるとわ!!懐かしいなぁ。。。 pic.twitter.com/kO56Z2JCIo
— SJ (@SJ_PROJECT) February 2, 2022
漫画の貸し借り、私もよく行っていた行為です。
学生の風物詩みたいなものですよね。
中高生の時代は、面白い漫画を布教するのもされるのも楽しかったなあと思い出されます!
又貸し問題や、漫画の扱いの違いでトラブルのもとになったりもありましたが、ある意味社会性を学べるいい機会にもなりました。
そんな漫画の貸し借りですが、特定の相手であれば違法にはならないようです。
逆にどんなものは違法なのかも併せて、以下で詳しく見ていきましょう!
漫画の貸し借りは特定の相手なら違法ではない!
光が死んだ夏面白かった
デザイン科では毎日漫画の貸し借りが
行われています pic.twitter.com/FaxBcIR3Qw— n (@xxxtr_ooo) October 13, 2022
漫画の貸し借りは特定の相手であれば違法ではありません。
漫画の貸し借りについては、著作権法上で貸与権として以下の通り定められています。
著作権法 第26条の3(貸与権)
著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。)をその複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供する権利を専有する。
『公衆』つまり不特定多数の相手に、レンタルショップのように貸してしまうのは完全に違法。
特定の友人であっても、それが大人数になれば違法ととられるようです。
少数の特定の友人と個人的にやり取りするだけであれば『公衆』にはあたらないので違法にはなりません。
著作権法上では有償無償については特に言及されていませんが、万が一継続的に有償で貸し借りをしている場合は「業」とみなされる場合があるようです!
では、電子漫画はどうなのでしょうか?
電子漫画の場合は違法?
海賊版漫画サイトの大手「漫画BANK」が閉鎖されていることが分かった。
電子書籍各社の業績に影を落としていただけに、その閉鎖はプラスに働くとの見方から関連銘柄が動意した。メディアドゥ(3678)
インフォコム(4348)
Amazia(4424)
KADOKAWA(9468)
ビーグリー(3981) pic.twitter.com/Q26B9wJ5Ty— 豆山くん (@mameyama_kun) November 6, 2021
近年では漫画もどんどん電子化していますね。
読みたい漫画が、いつでもどこでもスマホ一つで読めるというのは大変魅力的ですよね!
そんな電子漫画を貸し借り、出来るとすればですが、購入した端末から他の端末に送信して貸し借りをする場合は違法です。
これは、電子化された漫画は『読む権利』を購入しただけなので、自分のもののように扱うことは出来ないためです。
購入した端末自体を、勧めたい相手に貸して読んでもらう分には、違法には当たりません。
便利で手軽な分、制約も紙媒体より厳しいんですね!
漫画の転売や自炊・スキャンは法律でどこまでなら大丈夫?
自分は2013年くらいから自炊(スキャナーで読み込んで紙は処分)をしてきたのだが、結構貴重な本を裁断してスキャンして紙を捨ててしまったことに今になって気づく。 pic.twitter.com/n3uyrYXjAn
— 戸澤 全崇 (@awazot1030) November 7, 2021
次は漫画の転売や、自炊・スキャンがどの程度で違法になるのかについてです。
転売は、購入したある商品を他に売り渡すことで、行為自体はごくありふれた行為です。
転売が違法のイメージについては、希少価値のあるものが定価よりも高額で売られることが多いからではないでしょうか。
自炊とは、自分の持っている紙媒体の書籍を裁断・スキャンして電子書籍化する行為のことです。
本を裁断するのはちょっと抵抗感はありますが、家の中が本だらけになるよりは電子化して端末から読める方がいいという方は多そうですね。
また電子化すれば、紙では読みにくかった文字も大きくできたり、明るさが調整できるなど利点も大きいです。
しかし、著作権的に問題がないのかこちらも気になりますね。
まずは転売について調べてみます!
漫画の転売は販売数量と金額によっては違法になる?
転売屋の横行で大問題になっていますがここで15年以上前に転売の脅威を描いた天才的な漫画を御覧下さい。 pic.twitter.com/r1lnsEFQlm
— にじいろスターダスト (@niji_sta_KB) March 8, 2020
漫画に限ったことではありませんが、転売でイメージされるのは定価より高額に商品を販売されている行為のことだと思います。
ライブのチケットなどが話題になることが多いですが、漫画だとアニメ化して品薄になった商品や、限定版・初版本・サイン入りなどが転売の対象になりやすいですね。
しかしこの転売行為自体は、特に法律に触れることは無いようです。(チケットは除く)
問題になるのは、繰り返し転売を行い利益を得る行為。
継続的に転売を行う行為は「業」と見なされる可能性が高いです。
その為、中古品の売買に必要な古物商許可を持っていない場合は古物営業法違反と見なされる可能性がありますね。
また、転売によって出た利益の金額が一定数を超えると申告が必要になります。
その申告が漏れてしまうと脱税とみなされ所得税法違反となります。
自炊・スキャンについては個人使用の範囲なら違法にならない!
自炊生活始めました!
スキャナと裁断機を借りて、一気にスキャン!
今はデータがiPadに入ってて、
書き込みもできるようになりました✨ pic.twitter.com/KUEsgZBVPN— moka (@Mokapple) July 7, 2020
自炊・スキャンについてですが、こちらは個人使用の範囲であれば違法にはならないでしょう。
自炊は著作物を複製する行為に当たりますが、これは著作権法で私的使用の為の複製に定められています。
著作権法 第30条(私的使用のための複製)
著作権の目的となっている著作物は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用することを目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。
つまり、自分や身近な特定の人の為に行う行為であれば自炊行為は認められているようですね。
ただし、依頼を受けて自炊を行う『自炊代行』については法律に抵触する可能性があります。
スキャンデータをメッセージなどで送る場合は、送る過程で新たに複製されるため、私的複製とは認められません。
また、頼まれてスキャンを行った場合も私的複製とはみなされず、著作権法の複製権を侵害した事になるかも。
唯一違法と見なされないのは、元々私的複製の為のスキャンデータが保存された媒体ごと(データコピーを行わず)相手に譲渡する場合です。
自炊代行はリスクの高い行為ですが、自炊自体機材を揃えたりスキャンする手間を考えれば、需要はかなり多いと思われます。
ただ個人的には、紙をめくって1ページ1ページ読み進める感覚・並べると背表紙で絵が繋がっていく遊び心あるデザインなどは紙媒体だからこそ!
自炊を行ったり、依頼したりというほど興味は惹かれませんでした。
紙・電子とも、ユーザーそれぞれの好みがあるのでしょうね!
まとめ
【今日は何の日?コラボ】
8/16 電子コミックの日
電子パッドにたくさんの漫画が入って持ち運びが出来るよね!!
でも、漫画の貸し借りも好きだよ!!#電子コミックの日#LINEスタンプ #LINEスタンプ販売#ゆびマル #名前はまだ無い#イラスト好きな人と繋がりたい #絵描きさんと繫がりたい#拡散希望 pic.twitter.com/Q22oGWwNZv— ワンチャンス@LINEスタンプ【ゆびマル】 (@oncechance16) August 15, 2022
漫画の貸し借りや転売、自炊・スキャンがどこからどこまで違法行為に当たるのか見てきました。
基本的には個人間のやり取りであれば違法行為とはみなされないものが多いですね。
法律的にも個人まで細かく取り締まることは難しいという側面もありそうです。
しかし漫画の貸し借りなどは、将来的な購買意欲をそそるという面で経済的うま味が出る可能性がありますし、不特定多数で行うのでなければ大賛成!
転売については基本的には違法では無いようですが、買い占めなどを行う悪質な転売ヤーも少なくないので、チケットのように取り締まり厳しくてもいいのでは?と少し思います。
自炊・スキャンについても、私的利用であれば法律的にはOK。
『自炊代行』の法律的なセーフがどこまでなのかは、判断は難しそうですが目的が私的か他人的かがラインのようです。
たまたま私的に使おうとしたデータをコピーしないで保存媒体ごと譲渡するのはセーフなのだとか。
目的なんて判断しにくいのでは?とは思いますが、それが司法の入り込めるギリギリのラインなのかもしれません。
どれも違法行為にはあたらないですが、マナー違反が目立つことで悪い印象がついてしまっている部分もあります。
マナーを守って楽しく漫画とお付き合いしていきたいですね!